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  • 牧 基親
  • No.MW007 牧 基親 MOTOCHIKA MAKI

    第7代マスター・オブ・ウイスキー。
    アサヒビール(株)マーケティング三部にて輸入ウイスキー、スピリッツを担当。2009年ウイスキープロフェッショナル取得。日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ、日本テキーラ協会認定テキーラ・マエストロ、日本ラム協会認定ラム・コンシェルジュ、日本チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル。

社内初のマスター・オブ・ウイスキー
「当社では積極的にエキスパートやプロフェッショナルの資格取得を推奨していますが、マスター・オブ・ウイスキーにはまだ誰もなっていませんでした。そこでここはひとつ、私がマスターに挑戦しようと」と、照れくさそうに語る。牧基親さんは現在、アサヒビール株式会社マーケティング部で輸入洋酒を担当し、その魅力をPRしている。2006年にウイスキー・エキスパート、2009年にウイスキー・プロフェッショナルを取得、そして2017年度に7人目のマスター・オブ・ウイスキーとなった。
北海道で訪れたバーでの1杯
牧さんがウイスキーに目覚めたのは北海道の道東支店に勤務していた頃のこと。当時の上司とともに営業で訪れたバーで勧められて飲んだ1杯は、それまでウイスキーに一般的なイメージしか持っていなかった牧さんに大きな衝撃を与えた。「ストレートで飲むのか、というところから始まり、これほど味わいに多様性があるのか、と驚きました」
毎週末、国会図書館に通い詰め
昨年初めにマスター・オブ・ウイスキーへの受験を決意し、前半はウイスキーレクチャラーの勉強と並行して基礎知識をブラッシュアップ、後半は最新の情報を収集した。論文のテーマ決めた後は、毎週末、国会図書館に通い詰めた。論文では「参考文献をきちんと調べ、読みやすく」を心がけたという。
自分なりのテイスティングスタイル
2次試験では、筆記試験や口頭試問は事前にしっかり準備した甲斐もあって手ごたえがあったが、テイスティングには手こずった。「家でテイスティングの練習を繰り返し本番に臨みましたが、1つめで時間を使いすぎてしまい、ペース配分を間違えました(笑)。でも試験に向けて練習を重ねたことで自分なりのテイスティングスタイルを掴むことができたと思います」
牧さん流のやり方とは、第一印象に流されず、1つひとつの香りや味わいの要素を客観的に分析していくというもの。またテイスティングに限らず、マスター試験のための勉強を続けることで、新しいウイスキーの世界が開けたという。「プロフェッショナルの延長にマスターがあるわけではない、ということがよくわかりました。知識を集めるだけでなく、また別の角度からウイスキーを知るきっかけになりました」
マスターになった後の自分のイメージをしっかり持つこと
これから受験する人へのアドバイスとして「教本や関連書籍を中心にしっかり勉強することは大切。でも試験のテクニック以外に、貪欲に情報を集めること。論文テーマを見つけるためにも、日々アンテナをはっておくこと。そしてマスターになった後の自分のイメージをしっかり持つこと。それが私にとって試験を受ける強いモチベーションにもなりました」
昨年スコットランドに旅行し、レンタカーを借りて8日間で60ヶ所以上の蒸留所を巡った経験も、自信と意欲に大きくつながった。
大きなビジネスチャンス
今後は「まず社内でウイスキーの素晴らしさを伝えながら、今後ウイスキーコニサーを目指す人のサポートをしていきたい」。その後日本のウイスキーをもっと世界に広めていきたいという野望も。「現在のジャパニーズウイスキーの海外販売比率はわずか3%。ここを広げていければ、大きなビジネスチャンスになると思っています」
ウイスキーの魅力とは
仕事柄様々な洋酒に接する牧さん。中でもウイスキーの魅力は「生まれた場所や蒸留所、ブランドなど様々なストーリーがあること。そして人間の技術と自然と時間が作り出す味わいの多様性」という返事が返ってきた。