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No.MW005
石原 裕三
YUZO ISHIHARA
第5代マスター・オブ・ウイスキー。
2017年に3度目の挑戦で合格。その他ワインソムリエ、コムラード・オブ・チーズ、唎酒師などの資格を取得。サントリー株式会社で一貫して酒類営業に携わり、お酒の知識を伝え、お酒を飲む楽しみを分かち合うことを喜びとしている。社内においてコニサー資格セミナーや、社外においても多方面でウイスキーセミナーの講師を務める。
- 5人目のマスター・オブ・ウイスキー
- 今年2月、5人目の「マスター・オブ・ウイスキー(以下、MW)」が誕生した。MWは、ウイスキー文化研究所が主催するウイスキーコニサー資格認定制度の最上位資格で、「ウイスキーエキスパート」、「ウイスキープロフェッショナル」に合格した人のみが受験できる。難易度は最も高く、「該当者なし」の年もある狭き門だ。
- ウイスキーファンづくりへの取り組み
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このたび合格したのは石原裕三さん。サントリー酒類株式会社に入社し、以来9年間、小売店などを通して、酒の飲み方・楽しみ方を普及させてきたキャリアは、認定試験の論文「ウイスキーファンづくりへの取り組み」にも生かされている。
「お酒の知識が身についてくると、人に話したくなります。小売店の方を集めたセミナーのほか、社内で講習会も行っていました。そんな時、第1回目のマスター合格者である佐々木太一さんに出会い、資格の存在を知ったのです。ウイスキーについて、より啓蒙していきたい。そのために資格を持ちたいと思い、翌年ウイスキーエキスパートを受験しました」 - ウイスキーのことを分かりやすく伝えたい
- 得意先や社内の同僚・後輩に、ウイスキーのことを分かりやすく伝えたい。そのような熱意と共に、穀物が原料なのにフルーツなどの多様な香りが生まれるウイスキーの不思議な魅力も、試験を受ける原動力になったという。
- 1回目、2回目は「ムリをしていた」
- マスターの問題は、何が出るか分からない、難しかったと石原さんは言う。教本に書き込みを入れながら勉強し、最新情報にもアンテナを張りめぐらせ、英国王室の系図を暗記するなど歴史にも目を向ける。2014年から毎年受験し、3回目となる今年、ついに合格を手にした。論文も3回書いたが、1回目は「香り」、2回目は「バーボン」がテーマ。石原さんいわく、1回目、2回目は、本を読んで知識を集めたもので、「ムリをしていた」。3回目では開き直って、自分の体験したことや感じたことを書いたという。
- ウイスキーへの並々ならぬ情熱
- これから試験を受ける方々へ向けて、石原さんにアドバイスを伺った。「MWの試験は、ウイスキーへの並々ならぬ情熱がないと乗り越えられません。のめり込んでチャレンジし続けてほしいと思います」。今後の目標は、「ウイスキーを人々に広めていくこと。そして、個人的には、スコットランドの全蒸留所を回りたい」という。ちなみに、一番好きなスコッチウイスキーはボウモアとのこと。
- ウイスキー界の通訳に
- 漫画「BARレモン・ハート」を、ウイスキーを分かりやすく身近にする「通訳」に似ていると言うが、MWの称号を得た現在、自身が、経験も知識も兼ね備えたウイスキー界の通訳として期待されている。
『ウイスキーガロア』Vol.02/P.92より引用